首は髭を剃ったりネックレスをつけたりと比較的日常生活で触れることの多い場所です。通常首には”見張りリンパ節”が存在し、口や喉などの頭頸部の炎症に反応して大きくなったり小さくなったりを繰り返しています。
虫歯や口内炎ではしばしば顎の下にグリグリができ、抑えると痛い場合もありますが、これはもとの病変が縮小すれば次第におさまってくるのが特徴です。つまり炎症によるリンパ節病変の診断は時間を空けて再度診察を受けることが重要です!
亜急性壊死性リンパ節炎は1972年に我が九州大学の菊池先生が多数のリンパ節生検の標本を検討し、悪性リンパ腫と紛らわしいものの、良性のリンパ増殖性病変として報告したことが発端とされる病気であり、現在も国際的には名前を取って”菊池病”と呼ばれます。片側の痛みを伴うリンパ節腫大が特徴で、20歳から40代までの比較的若い女性に多く、比較的長い数週間の腫れで病院を受診されます。エコーで片側の癒合する多数のリンパ節があり、発熱、圧痛が中心です。抗生剤が無効、ステロイドがよく効きますが、先に悪性の除外を行うことが最も重要です。そのため、紛らわしい場合には針を刺して細胞を検査する細胞診も行います。
私は4年間九大病理学でリンパ節生検の病理診断を行ってきましたが、組織学的には様々な細胞が入り乱れて”多彩な”病理像をし呈します。悪性リンパ腫は均一な印象ですので生検で診断をつけますが、自然に縮小することが多いためしばらく対症療法でフォローすることが多いです。菊池病は自己免疫によるものと考えられており、人に感染ることはありません。
当院はがん治療認定医の院長が高性能エコーを用いて首のしこりの診断をつけます。
毎週火曜日午後は腫瘍外来で首のしこりのセカンドオピニオンを受け付けています!もちろんそれ以外の日でも診察させていただきますが、お話しする時間を取りたいので、土曜日以外にご来院いただければ幸いです。もちろんあらかじめ予約は必要ありませんが、当院初診の患者さんはカルテ作成などの関係で初回のみインターネット予約システムをご利用できませんのでご了承ください!
花粉症とは、体内に入った花粉が細胞の表面にある受容体に付着すると発信されるヒスタミンという物質によって、鼻水・鼻づまり・目の痒みが引き起こされている状態です。一般に症状が出てからお薬を飲み始める患者さんが多いのですが、初期療法(予防投与)とは症状が出る数週間前から、ヒスタミンを抑える薬(抗ヒスタミン薬)を予防的に飲むことで、花粉が細胞の表面についても有害症状をきたす信号が出にくくなる、つまり花粉が飛んできても花粉症の症状が起きにくくなるという治療です。症状が出てしまってから飲み始めても、薬の効果が弱かったり症状を抑えるためにより強い薬が必要になることもあるため、”症状が出る前から花粉の飛散が終わるまで”しっかりと服用するのがもっとも効果的です。
特に今年は去年の猛暑の影響で例年より花粉飛散量が多いと予測されており、より確実な初期療法が大切です。
当院で花粉症の投薬を受けたことがある患者さんはそのことをよく知っており、1月中旬から”お薬お願いします”とお越しになっています。引越しなどで他院から移ってこられる場合はできれば”去年飲んで調子が良かった”お薬をメモしてお越しいただくとスムースになります!
なお、舌の下にタブレットを毎日入れて花粉症の体質改善を図る舌下免疫療法は約80%の方に有効な非常に優れた体質改善治療です。詳細は舌下免疫治療のコラムを参照ください!
舌下免疫治療についての詳細はこちら↓
混雑が予想される休日と日曜日に挟まれた10日は午後のみ九州大学糸山先生との2診体制となります。