今年は花粉の飛散量が過去10年で最多とのことで、当院でも今年から花粉症になったかもと受診される患者さんが増えています。患者さんの数も、例年より2割ほど多くなっています。今まで花粉症じゃなかったのに、急に花粉症になってしまうメカニズムとして、バケツ理論というものがあります。その方が持つアレルギー素因の容量が、長年蓄積されたアレルゲンでいっぱいになり、ある時バケツの水がいっぱいになって溢れるように、一気に症状として現れ始めるというものです。今年は、例年に比べ、花粉の飛散量が多いため、バケツから溢れた方が多いかもしれませんね。
もしかしたら花粉症になったかもと思ったら、早めの採血検査をおすすめしています。今は、黄砂やPM2.5などの大気汚染物質も多く飛散していますし、どのアレルゲンに反応しているのかの検査を受けておくと、お薬の種類・量や服薬の期間を調整することができますし、花粉の飛散前など早めに服薬を始めることで、症状を軽くすることができます。花粉症の症状を放置してしまうと、鼻の粘膜が腫れた状態が続いてしまい、副鼻腔炎や中耳炎、扁桃炎を起こすこともあるので、早めの検査と治療をおすすめします。