大阪大学特任教授の坂口志文さんが2025年ノーベル医学・生理学賞を受賞しました。日本人としては6人目の快挙です!
坂口さんはTreg(制御性T細胞)と言って、過剰な免疫反応を抑制・制御する免疫担当細胞を発見・解明することで主にアレルギー自己免疫疾患(膠原病)の病態解明、治療の礎を築かれました。
当院で力を入れている舌下免疫療法の治療理論も免疫寛容(過剰な自己免疫によるアレルギー反応を抑えること)に制御性T細胞の関与があることに基づいた治療です。いくつかの研究で舌下免疫治療を行なった患者さんは抗原特異的(アレルギー原因物質に限って)免疫細胞中の制御性T細胞が増加していることが報告されています。
患者さんに日頃通常に用いる治療の礎を築いてくださった研究者のおかげで、病気を抑える治療に応用できる技術を人類は数々持っていると考えると、本当に基礎研究に従事する研究者に頭が上がりません!日本の医科学の基礎研究がさらに発展されるのを祈念しています。