”聞こえているのに聞き取れない”という「聞き取り困難症」という病気をご存知でしょうか?聴覚情報処理障害(APD)という病態で、誰にも分かってもらえない苦しみを抱えている患者さんが多くいらっしゃるということが知られてきています。当院にも、聞き取りに不安があるという方が週に平均5人ほど来院されます。当院では、2024年に作成された診断の手引きによる診断基準に従って、聞き取り困難症の診断・検査を行っています。精密検査や心理検査・発達検査を行う場合は適切な医療機関へ紹介状をお渡ししていますが、実は聞き取り困難症は現段階で有効な治療法はありません。重要なのは、”社会的生きにくさ”の理解と周囲の環境調整を行うことです。当院での診断が、聞き取りの問題でお悩みの患者さんにとって道筋となり、生きづらさを少しでも軽くできるようお役に立てればと思います。どうぞご相談にいらしてください。