今年2025年は全国的に数年に一度のすぎ花粉の大量飛散でした。花粉症の患者さんにとっては非常に辛い季節だったと思います。
当院は2016年開院以来、一貫して花粉症治療の最も重要な治療の位置付けに
①すぎひのき舌下免疫療法(シダキュア®️)
②初期療法(飛散開始2週間前、1月中旬からの予防内服投与)
に2つと定めて来ましたが、開院9年で舌下免疫の症例集は約1900例に達しました。これは全国でも有数、九州では1位の症例数と聞いています。
多くの患者さんの治療を通じて、”もっとこの治療を早く知っていればよかった”、”花粉症の季節が怖くなくなった””ティッシュが要らなくなった”などの嬉しいお声をいただいていると同時に、”すぎは非常に有効性を感じるがひのきのシーズンは症状が残っている”、”有効性が思ったほどではなかった”などのご意見もあります。現在の論文の論調は有効率80%以上寛解は半分程度、と言われていますが、多くの論文と同様当院でのデータも有効率80から85%と非常に良好な成績です。もちろんこの治療は10年以上有効性が持続するとされていますが、必ずしも一生持続するものではありません。(一生持続する方もおられます)
当院では舌下免疫を希望される患者さんには次のルールを定めています。
①初回のみ(アレルギーに備えて30分の院内待機が必要であることから)月、木、金の14時から16時に来院受付が必要(日時予約は必要ありません)
②2回目からは時間指定なし、土曜日来院でも可能
③最低3から5年の継続、毎月の診察来院
年単位の通院が大変とは思いますが、考えてみれば花粉症は一生持続するもので、特に若い方やお子さんにとってはメリットも大きいと考えます。
福岡は高校卒業までは医療費補助もあり、小さいうちからの開始が免疫学的にも望ましいとされています。(当院では治療前にドロップスクリーンという指先一滴の採血でお子さんでも可能です!5歳3ヵ月ぐらいから舌下に1分留めることが守れるようです)
ひどい花粉症は鼻詰まり、水性鼻汁による集中力の低下など仕事・学習のパフォーマンスを大幅に低下させます。
今年こそ思い切って舌下免疫療法を始めませんか?
当院は舌下免疫治療認定施設、AMED(国の定める研究グループ)協力施設です。多くの症例経験もあり安心して治療をお任せください!
当院院長が協力する研究班の成果が発表され、2025.4英語論文に掲載されました!
舌下免疫療法とは10年ほど前から保険適応となった、アレルギー体質改善の画期的な治療法です。現在すぎ・ひのき用とダニ・ハウスダスト用の2種類が保健適応となっています。3年から5年という長期治療が必要ですが、完全寛解を含めた有効率はすぎで80%以上、ひのきでも60%程度です。当院は舌下免疫療法指定施設で全国有数の症例数(1900例)経験があります。
4月25日現在すぎ花粉飛散はほぼ終了し、ひのき花粉量も少量です。アナフィラキシーなどのアレルギー反応を回避するため、ひのき飛散終了次第2025今年度すぎ舌下免疫療法開始します。
当院では5月26日から今年度の舌下免疫を開始します。 (さらに…)
先日ユーチューバーのHIKAKIN(ヒカキン)さんが自ら病名告知したことで今後関心が高まると思われる病態ですが、当クリニックは以前から好酸球性副鼻腔炎にはブログなどで度々触れてきました。
簡単に言えばなおりの悪い副鼻腔炎の一群で、原因が好酸球炎症による副鼻腔炎です。近年副鼻腔炎はtype1から3までの3つのタイプに分類されることが国際的に推奨されており、type1/3と異なり炎症が持続し鼻茸を伴うことで非常になおりを悪くしたり、繰り返したりします。血液検査とポリープの病理検査で好酸球が増加してCTで篩骨洞という目と目の間の副鼻腔により強い反応が認められれば確定診断となります。
特徴はHIKAKIN(ヒカキン)さんがおっしゃっていた通り喘息や嗅覚障害、鼻詰まりや頭痛を伴い、薬でなかなかよくなおりにくい副鼻腔炎でまずは手術が必要ですが、術後も繰り返すのが特徴です。
type2炎症は主に炎症マーカーのIL4/13,IL5に関係し、好酸球が炎症の主体であることが特徴です。反復する鼻茸(ポリープ)で嗅覚が障害されたり、頭痛、鼻詰まりで日常生活に支障を来します。一度の手術で治らないことが多いのも特徴で、全員ではありませんがなおりの悪いタイプが存在し難病指定される方もおられます(全員ではありません)。
当院はCTを完備しており、好酸球性副鼻腔炎の診断が可能ですので御不安な場合はご相談ください。
当院では手術は行なっておりませんが、適切な治療方針をお示しします。
また、難病指定後に再発したポリープには注射剤での手術以外の治療法があります!
今年は秋が急にやってきました!そのため、夏に慣れた体が十分に”衣替え”できてない方が多く、急激な気温変化で”寒暖差アレルギー”が起きることが増えています。2020年10月13日(火)NHKロクイチ福岡に出演し、この季節のくしゃみ、鼻水、鼻づまりの原因が夏から秋への気候の変化とも関係する”寒暖差アレルギー”によるものの可能性があることを説明させていただきました!”ラーメンなどの温かいものを食べた後にでるものと同じ”血管運動性鼻炎”が原因となります。鑑別診断は秋の花粉症である”ぶたくさ”やハウスダストです。(ハウスダストや秋の花粉症はRASTという採血検査でわかります。)
特に今年は酷暑から急に季節が変わって、朝夕涼しく(寒く)なってきたことから、自律神経の乱れがおきて調子を壊す方が増えた印象です。
一般的に大体7度の寒暖差で起こるとされています。
鼻の症状以外に、めまいや頭痛、だるさなども起こります。
自律神経を整える最も有効な技は”規則正しい生活”です!朝起きる時間と食事時間、就寝時間を一定にすることで、体内時計がきちんと働きやすくなり、交感神経と副交感神経のバランスが良くなります。他に首筋、足首、手首などの露出部の保温や、ぬるめのお風呂にゆっくりつかることも効果的です!衣服を調節して体に負担をかけないことも大切で、特に体温調節が未熟な新生児・乳幼児にはこまめな衣類の調節をお願いします!
この季節、温度対策をこまめにして、十分な睡眠とバランスのとれた食事をきちんととるように心がけてくださいね!
九州大学医学部耳鼻咽喉科 中川尚志教授のご指示により、今年も九州大学医学部4年生学生の臨床講義を担当させて頂きました。また本年4月1日付けで九州大学医学部臨床教授の称号をいただきました。名に恥じぬ様にさらに臨床研究も頑張っていく所存です。私の専門としている口腔咽頭疾患と耳下腺腫瘍、唾液腺疾患についてお話ししました。学生さんの講義は緊張しますが、質問もいただき充実した時間でした!所用あり箱崎の本学にも立ち寄りましたが、あちこち工事中で寂しい感じでした。旧本館を久しぶりにみてきました!代診の菊池先生いつもありがとうございます。
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朝夕気温差が激しい今日この頃です。気温差は風邪などの感染症の原因になるだけではなく、寒暖差アレルギーなどの体調不良の原因にもなるので注意が必要です。
さて、当院も開院後まもなく1年が経過し、たくさんの患者さんにお越し頂いています。
この度さらなる患者さんのニーズにお応えするために、2017年10月から火曜日午後に腫瘍外来を開設する事になりました。基本的に火曜日午後の院長は腫瘍の患者さんの診療を担当しますが、腫瘍外来が定着するまでは、窓口で患者さんのご希望をお聞きしますのでよろしくお願いします。患者さんにはご不自由おかけしますが、どうぞよろしくお願いします。
それに伴い一般再来は、小児耳鼻咽喉科、耳科疾患専門の菊池奈美先生(人気の女医先生です!)に火曜日午後お越し頂く事になり、小児耳鼻咽喉科の診療等を担当されます。菊池先生のプロフィールは別にご紹介いただく予定ですが、当院のコンセプトに共感いただき、今後は共に地域医療の発展にご尽力いただけるとのこと、私も大変心強く感じます。
また、それに伴い診察室の一部を改装します。改装中は患者さんにはご不自由をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いします。
10月から院内ハローウィン一色になりますので、そちらもお楽しみください!