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動くと起こるつらいめまい:PPPD〜新しい慢性めまい症の概念〜

めまいはいつだって大変辛いものです。実は私もめまい発作の経験があり、日頃から水分の十分な補充と睡眠に特に気をつけています。有名な耳からくるめまいはメニエル病(内耳のむくみからくる)や良性発作性頭位めまい症(耳石が動いて起こる)などがよく知られています。しかし慢性的に頭を動かしたり、立ち上がったり、体を動かしたり動くものを追ったときにめまいが起こる症例が一定数いたにも関わらず、この領域は”いわゆるめまい症”、自律神経失調症、椎骨脳底動脈循環不全症などといわれ、はっきりした病名は今まで存在しませんでした。

 

2018年に改定され2022年正式に発効するWHO ICD-11(病名の辞典のようなもの)に、今回PPPDという新しいめまい概念が報告されましたので、めまいでお悩みの患者さんのために少しご説明をさせていただきたいと思います!

 

PPPD(持続性知覚性姿勢誘発性めまい症)は意外に患者さんが多いことが最近の研究で明らかになってきましたが3ヶ月以上、ふらふらが持続し、立ち上がったり歩いたり、体を動かしたり、動くものを目で追った時にぐらぐら発作が起き、一度めまいを感じるとしばらく治らない、難治性のめまい症です。ぐるぐる回転するめまいではないことがポイントです!

 

問診で概ねわかるとされており、通常は前庭といって内耳の機能が損なわれると一時的に視覚情報、筋肉情報など他の感覚にバランス調節の重点がシフトするが、そのアンバランスがなかなか取れないでいる病態とされています。

治療は、ある種の精神科的治療薬や前庭リハビリなどですが、なかなかスッキリしないのが特徴です。。

 

新潟大学が問診票を開発しており、72点中27点以上がPPPDの疑いがあるとされています。(新潟大学からの論文の抜粋)

美しい朝焼けです!

2021年09月24日