”ある日突然耳が詰まった感じがして、聞こえなくなった。耳鳴りもする。”
突発性難聴の典型的な症状です。突発性難聴は突然、急に起こる原因不明の難聴で、半数の人は難聴と共にめまい症状も伴います。
年間3~4万人が発症すると言われており、有名なアーティストも罹患したことがあるため、病名を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?突発性難聴では 、耳の奥( 内耳 )の音を感じる神経細胞が障害されている場合が多く鼓膜や中耳には異常がありません。
治療はステロイド内服治療が中心になりますが、治りの悪い場合や高度難聴で高容量のステロイドの点滴や高気圧酸素療法の適応となる場合があります。
高気圧酸素療法とは、2気圧の酸素カプセルに90分入る治療で主に内耳循環改善を期待するものです。
当院には設備がありませんので、紹介することになります。(設備は徳洲会福岡総合病院、福岡記念病院、八木病院にあります)
1日1万円以上かかり、約10回行うこともありますので、高額になりますが高額医療費制度を利用できる場合があります。
発症後早期に開始すべきだとされており、暫くたった症例には適応ありません。
中耳炎を起こすこともあり、耳鼻科医の管理下に行うことが望ましいとされています。
当院では高度難聴に関してはできることなら行った方が良いというスタンスです。
効果に関しては我々のグループで以前通常治療と比較検討したところ、
1)低音域の聴力上昇 については 高気圧酸素治療 群で有意に良好な結果であった。
2)めまい合併例や高齢者では各群間に有意差はなかった。
3)治療開始時期については発症から4 日以降に治療を開始した症例に関しては高気圧酸素療法群で有意な改善を認めた。
というデータでした。興味ある方は我々の論文をご覧ください。
いびきが以前新幹線運転士の居眠り運転をきっかけに社会問題になって久しいですが、一番の問題はいびきによって生じる睡眠時無呼吸が眠気、心疾患などに深く関わってくることです。睡眠時無呼吸症候群の診断は、簡易検査とPSG検査がありますが、簡易検査でCPAP適応判定目的に以前は近隣入院施設に入院していただき検査していましたが、今年からはご家庭で検査ができるようになりました(ポータブルPSG検査)。
(ノーザリー社HPより)
何れにせよいびきは無呼吸のレベル判定がすべてのスタートとなります。
いびきの原因は多岐に渡りますが、耳鼻咽喉科は上気道である鼻や口腔、舌などいびきの発生部位の専門診療科であり、レントゲンや、鼻腔通気度検査、CT,、ファイバーなどの正確な局所検査が必須です。アレルギーが原因の鼻閉にはRAST検査というアレルギー検査で体質チェックを行います。(結果ハウスダストなどのアレルギーがいびきの原因となっている場合には、舌下免疫療法といって体質改善はいびき軽減に役に立つ場合もあります)
当然鼻中隔弯曲や肥厚性鼻炎など解剖学的狭窄による”鼻いびき”が疑われる場合には手術が先行する場合もあります。同様に扁桃肥大でのどの入り口が狭場合には扁桃摘出の手術を行わないと治療がうまくいかないこともあります。
軽傷の無呼吸ではマウスピース(スリープスプリント)で制御できることもあります(歯科で歯形を取ってもらいます)が、重症ではCPAPと言ってマスクを装着して眠る治療が必要です。
CPAPは条件を満たせば、保険診療となり3割負担で月5000円ほどで機械のレンタルが可能です。ただし医療機器ですので適切なデータ管理が必要ですので月1回の来院が必要です。
軽傷の場合は舌根が落ち込むことが無呼吸の原因となりますので、横を向いてねる枕(抱き枕、背中固定枕、仰向き警告装置)などが有効です。
心不全などの重症呼吸管理が必要な場合は専門性の高い内科に紹介となります。